こんにちは、子猫のおデコです。
今回は、2017年6月20日に音楽教育を守る会が”音楽教室における演奏について、著作物使用に関わる請求権がないという事の確認”の訴訟をJASRACにおこした事についての記事になります。
現在は大手しか対象になっておりませんが、個人でレッスンをしている方も今後徴収対象に入ると思いますので今回の提訴によってはレッスンによって別途JASRACにお金を払わなければならない世の中がきます。
では、どうゆう内容なのかを説明していきます。
2つの団体の概要
JASRAC
JASRACとは一般社団法人日本音楽著作権協会の英語表記で表した頭文字になります。
『Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers』
事業内容
- 音楽の著作物の著作権に関する管理事業
- 音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡及び著作権の相互保護
- 私的録音録画補償金に関する事業
- 著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究
- 音楽文化の振興に資する事業
上記は、JASRACのホームページから抜粋しております。
要するに、著作権を管理する団体という事です。
音楽教育を守る会
音楽教育を守る会とは2017年2月に、音楽教育の現場から著作権料徴収を取り下げる為に発足した団体。
主にピアノ教室や楽器教室など運営している全国249の会社が参加しています。
大手では、YAMAHA、河合楽器、山野楽器があります。
概要
JASRACは2017年6月7日に、同協会で管理する著作物を音楽教室で演奏する場合は、教室が得た受講料の2.5%を徴収する使用料規定を文化庁に届け出た事で、それを徴収するのは不当だという教室側が2017年6月20日に東京地裁に訴訟を提起したという事です。
JASRACの届け出した内容
音楽教室の受講料の2.5%を徴収(JASRACの管理する著作物を利用した講座)
先生が指導する為の演奏、生徒が練習の為の演奏も含むとの事。
10月から具体的な案内を音楽事業者に通知する。
当面は楽器店やメーカー主催の約9000音楽教室が対象で、徴収が進めば個人事業者にも対象を広げる見込みだ。
音楽教育を守る会の主張
著作権法第22条【著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する権利を専有する】との規定に、該当していないとの主張です。
- 個人レッスンや、教師1名と生徒数名のレッスンが「公衆」か?
- 音楽を教える為、又は教わる為の演奏が、「聞かせることを目的」とした演奏か?
勝手にQ&A
ちょっと気になる事を自分なりの見解でアンサーします。
Q1.JASRACに登録していない曲でレッスンしたらいいんじゃないの?
A1.はい。そうです!JASRACに登録していない曲なら徴収されないです。
日本における音楽著作権はJASRACの1強というのが現状で、ほとんどのアーティストが登録しているのではないでしょうか。
ただavexは、2016年2月より子会社のNexToneで管理していますよ。avex以外でも登録しているアーティストはいますので、地道に検索してください。
Q2.学校の音楽の授業では徴収されないの?
A2.営利を目的としない演奏・上映なら徴収されないです。
先生が授業で使うために、歌詞や楽譜をコピーし生徒に配るのもOKです。
ただ、1クラス分を超えると手続きが必要になるみたいですよ。
Q3.JASRACの主張が通れば誰が得して、誰が損するの?
A3.得する人はJASRACと、著作者。損する人は教室、教室に通う生徒。
弾きたい楽曲があるのに、教室では学べなくなったり、余計にお金がかかったりする事が想定されます。
徴収額は年間10億~20億円との見解があるそうです。
Q4.JASRAC以外で著作者は求めている著名人はいるの?
A4.私の知る限りではいません。
逆に反対している著名人は、宇多田ヒカルさん。及川眠子さん。
でも、もっと出てくるかと思いましたがあまり出てこないですね。
Q5.JASRACの主張が通れば、音楽教室はどうなるのか?
A5.大きく2つの方向に分かれる
1つは、JASRACの主張の通り、レッスン料の2.5%を徴収されて好きな曲を使ってレッスンする。
もう一つは、JASRACの登録曲は使わずにレッスンをする。
大企業は、コストを下げたり企業努力の反映が目に見えますが、個人でやっているレッスン教室では2.5%でも大打撃です。
例:レッスン料1か月7000円×20人=140,000円 1年で168万円 JASRACの徴収42000円
レッスン料を上げる所も出てきそうですね。
個人的見解
JASRACは著作権管理団体として、クリエイターを守るという事ではしっかりと現状も仕事をしていると思っています。
CDが売れなくなりカラオケの著作権料などで感謝している作詞・作曲家は多くいるでしょう。
ただ、音楽の裾野を広げようとしている企業や教室からの徴収には疑問があります。
事業内容にもある【音楽文化の振興に資する事業】とは、音楽をしばりつける為にあるものなのか?
ドラマの下町ロケットで、ナカシマ工業から特許侵害で訴えられた時の事を思い出してしまった。
【音楽教育を守る会】は署名を集めていましたので、微弱ではありますが、私も署名させてもらいました。
今後も良い音楽ライフを!!
コメント
もしもJASRACの主張が裁判で認められたとしたら、すなわち音楽教室での練習での演奏には著作権者の許諾が必要ということです。
したがって、JASRACが管理していない曲ならば無料で使っていいわけではなく、それはそれで著作権者の許諾が必要ということになるかと思います。
ですので、音楽教室オリジナルの曲を使うのがいいでしょうね。生徒さんにとって魅力があるかどうかは別ですが…。
それと、JASRAC管理曲の代わりとしてNexToneを挙げていらっしゃいますが、NexToneの曲も大半は演奏権がJASRACに部分信託されているので、音楽教室で使う場合はJASRACの許諾が必要になります。
まさおさん
コメントありがとうございます。
そうですね、JASRACの主張が通り、演奏権が音楽教室での練習にまで及ぶようであれば
著作権者の承諾が必要になりますね。